オンライン授業のデザイン

大学で日本語教育(教員養成科目,日本語科目)を担当しています。2020年春,突然取り組むことになったオンライン授業のオモテとウラを本音で記録しています。

学生のアクセスを分散させる

なんですと〜!

4月24日(金)に開催された教務系全学会議で衝撃の通達がありました。「極力リアルタイム配信を避けるように」とのこと。なぜなら「学生が一斉にLMS にアクセスすると,サーバーがダウンするおそれがある。リアルタイム配信でなければ,決められた曜日・時間帯にアクセスする必要はない。学生のアクセスを分散させることが望ましい」からだそうです。

授業時間の90分間は,双方向につないで活動することを想定していたので,プチパニック。だが,いかんいかん。まだ従来の授業デザインにとらわれていたようです。90分間教室にいるかどうかではなく,「その授業で何を学んだか」が重要。履修主義から修得主義への発想の転換が,まだできていないことに気づきます。

事前/事後課題のウェイトを増やし,水曜2限に集まる時間は最小限にしよう。自宅で事前課題に取り組むのであれば,何を調べても良いし,どれだけ時間をかけてもよい。段階的に課題を設定することで,レベル差に対応できる。私自身がZOOM講演会で体験したように,誰に遠慮することなく自分のペースで調べたり考えたりできる。そしてそれは,安心した充実した学びに繋がるはず。

そのためにはスモールステップを明示化する必要があります。大変な作業になりそうだけど,これまで片目をつぶってきた課題に真正面から向き合えというお告げでもあるのかな。腹を括る。

一方で,1人で取り組むのだから,事前/事後課題はシンプルでわかりやすいのがよい。見た目は楽しくゲーム感覚で,しかしやってることは専門性に裏づけられた奥深い活動であること。いつも考えている「思うツボにはめる」を具現化するときが来た。

そうして考えた末に行き着いたのは,日本語科目の次のような進め方。

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水曜2限を中核としつつも,毎週のサイクルが形になってきたことで,春学期の全体像が見えてきた。

歯車,ますます回り始める。